カメリアドラゴンズのメンバーがYANS2025で奨励賞を受賞しました
カメリアドラゴンズの坪倉和哉(情報科学研究科博士後期課程3年)さんが、9月18日、19日の2日間に渡り開催された第20回言語処理若手シンポジウム(YANS2025)で奨励賞を受賞しました。なお今年度のシンポジウムでは、対象論文246件の中で24件が奨励賞を受賞しています。
本研究はピクチャーズという不完全情報ゲーム(相手の手の内をすべて知ることができないゲーム)の一種を題材として、マルチモーダル大規模言語モデル(MLLM)に対して、従来のベンチマークでは評価が難しい抽象的な意味理解能力の性能評価を行っています。さらに本研究ではピクチャーズシミュレータの構築も行なっています。本シミュレータはオープンソースとして公開する計画があり、ピクチャーズのデータ収集を容易にすることで、ピクチャーズのみならず、不完全情報ゲームの研究を促進させるという大きな目標を持っています。
表彰対象となった研究発表の書誌情報は以下の通りです。
坪倉 和哉, 奥野 櫂仁, 上嶋 洸輝, 山口 陽太郎, 大橋 玲音, 鈴木 丈慈, 小林 邦和: 連想ボードゲーム・ピクチャーズのシミュレータ構築とLLMエージェントの推論能力の評価, 第20回言語処理若手シンポジウム(YANS2025), No.S3-P03, 2025.
[受賞者リスト]YANS2025受賞者一覧
[シンポジウムサイト]第2回言語処理若手シンポジウム(YANS2025)
[補足1] チーム情報
カメリアドラゴンズ(Camellia Dragons)は、2013年10月に、情報科学部の学生を中心として結成されたAI x ロボティクスプロジェクトチームです。当初は世界規模のロボット競技会であるロボカップ(RoboCup)を中心として活動しており、日本大会ではロボカップサッカー標準プラットフォームリーグで優勝4回、準優勝2回、世界大会では2017年の名古屋大会でロボカップサッカー標準プラットフォームリーグ・チャレンジシールド部門優勝という大きな成果を挙げています。また今年の3月に開催されたサッカー軌道予測コンペティション(主催:サッカー軌道予測コンペティション実行委員会、後援:科学研究費補助金・学術変革領域研究(A)の階層的生物ナビ学)では、最優秀賞(第1位)と優秀賞(第2位)をダブル受賞しています。さらに2020年8月に第2回人狼知能世界大会(世界45チーム参加)へ初挑戦で決勝進出、また2025年5月に人狼知能コンテストの2025年度春季国内大会自然言語部門の2競技3部門で第1位を獲得するという快挙も達成しています。現在,チームリーダーの西尾琉惺(情報科学部2年)をはじめとして、情報科学研究科博士後期課程3年から情報科学部1年まで総勢29名のメンバーで、ロボカップやゲームAIの国内外の競技会・コンペティションへの挑戦や研究に日々取り組んでいます.なお顧問は設立以来、情報科学部の小林邦和教授が務めています。
[チーム公式サイト] カメリアドラゴンズ(Camellia Dragons)



